午前中に・・・ April 29, 2009
吉田拓郎のアルバムが出るとは思っていなかったが、それが最年長記録でトップ10入り(BARKS)というのだからあきれた。
『午前中に・・・』
発売1週目で1.3万枚売上の結果だというが、それに先立って全国ライブのチケット3万枚に12万件の応募が殺到し発売後数分で売りきれたというのだから、もはや話題性を度外視して無形文化財のような動員力を誇る。
というかライブやるのかよ…。 セールス面にも良く表れていると思うが、拓郎はやはり時代を反映している。 若い頃は学生運動そのものの荒削りな青春をさんざん歌っていたわけだが、今回の『午前中に…』に至ってはきっちり老け込んできた。
なにしろ一曲目から「ガンバラナイけどいいでしょう」だ。「越えていけそこを」と歌い上げた時代はどこへやら。 ただ、やはり一貫しているのは生きていることへの肯定だと言える。年とともにできることは変わっていくから、これがいいという尺度は変わっていく。それでも生きている以上、矛盾ではないと理解できる。 拓郎の観客はやっぱり一緒に老け込んできた同世代だろう。 僕らのような若い世代はあまりこのアルバムに共感しすぎてはいけないとも思える。
個人的に気に入ったのは「真夜中のタクシー」。 タイトル通り真夜中のタクシーで運転手と乗客の拓郎(一人二役、しかも演じ分けない)がいい加減な会話を繰り広げ、ちょこっと付いたサビがまた何のスタンスもないといういい加減さがたまらない。 拓郎は主張の強い歌を歌いつづけて来たようでもあるが、じつは何も主張していない歌もちょこちょこと歌ってきていることも思い出させる。そこが良い。
THE BEST PENNY LANE