挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門

2007年8月18日(Saturday) 05:39pm
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ジャズ初心者の挫折パターンを見切って”ジャズ道”入門盤をセレクトし直した。
一度は聴き始めたもののいつしか聴かなくなっていくのは、分かりづらい名盤から入るせいだという。
『挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門 (幻冬舎新書)』
中山 康樹



僕自身まったくそのパターンにはまっていたので、読んでいていちいち「もっとも」だと思った。
「ワルツ フォー デビーで眠くなる」など”入門できない初心者症状”の分析には笑った。

もとはといえば僕は同じ著者の『ジャズの名盤入門』を読んで聴き始めたといいうのに、この本は全く違うセレクトを提案している。
おかしいじゃないかと思って『~名盤入門』を読み返してみると、じつはそっちは「初心者向け」とは一切書いてないことに気づいた。
「名盤”への”入門」であって「名盤”で”入門」ではないのだ。

そう考えると話は一貫している。
初心者はこの本のセレクト盤で”入門”し、なじんできたら『~名盤入門』のセレクト(よく知られたアルバムだが)にステップアップするという道筋が見えてくる。

著者はこの本で「枚数をたくさん集めることには意味がない」と主張している(その通りだと思う)から、この2冊組の数十枚で聴くべき本線はカバーしていると考えるべきだろう。

いわゆる名盤でないCDが初心者にとってなぜ必要かという問題は、ジャズのスタイルに原因があるという。
ジャズは即興を重視する音楽だから、名盤は即興性を味わう演奏技術観賞に走らざるを得ない。

初心者が名盤から入門するというありがちな事態は、日本の伝統芸能でいえば守破離の”離”から入るようなものだろう。
“守”は定石の段階、”破”は定石破りの段階、”離”は定石にとらわれない達人領域を指す。
“離”の名盤をいきなり聴いたのでは何が型で何を崩したのかすら分からず、支離滅裂に聴こえるのも無理はない。

名盤を聴いて即座にピンと来なければ、聴き手の耳に何か欠けている要素があるという見方に納得した。
もう一度下積みから始めたい。

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