年金未納や給食費未納は一揆前夜の様相 June 13, 2007
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以前から年金は納める方も取り立てる方もぐちゃぐちゃになっていたが、社保庁から芋づる式に様々な不祥事が明るみに出てきて、さらに未納率が増えそうだ。 払わないと言えば、いま学校の給食費を払わない親が増えていて全国累積20億円超まで来ているという。 さらに保育園の保育費を払わないのが累積30億円超ととんでもない額に積もっている。

この話を聞いてすぐに『「借金棒引き」の経済学』を思い出した。 この本はバブル崩壊の過程を昔ながらの徳政令から読み解いた本で、90年代後半の不良債権整理の様子が鎌倉時代と鮮やかに重なるというユニークかつ分かりやすい好著だった。

出版されたのが2000年だから、話は大蔵省を始めとする旧権力の崩壊で終わっている。 現代の方はそうなのだが、鎌倉時代はもう終わったことだからその後の過程も描かれていて、混沌期に入っている。

要するに巨額の債務が簡単に棒引きになるのを目の当りにして、庶民が「それなら俺たちも」とばかりに色々な上納金を払わなくなるというもの。

歴史は繰り返す。

その背後には旧体制が機能不全に陥っているという共通の力学が働いている。鎌倉期にはその後、庶民どうしが結託して自分たちの権利を力づくで確保する一揆へと進んでいった。

『「借金棒引き」の経済学』を読んだ当時はまさかそこまで行くことはないだろうと思っていたが、給食費や保育費のような払って当たり前のものまで公然と踏み倒す情勢になってくると何とも言えなくなってくる。 バブル崩壊を歴史的に読んだことで、いま改めてこの本の後日談のリアリティがぐっと増している。

現代のケースで旧勢力とは官僚機構であり、いずれ公務員が干されることはほぼ間違いない。 いまは都合が悪くなるたびにトカゲの尻尾切り的に分割して民営化されているが、本来は公務員をクビにできる一般的な法律が必要な話だ(とはいえこの点は最後までごまかされ続けるだろう)。

冒頭の給食費や保育費について言えば、これはいずれサービス停止に追い込まれると思う。 有能な人材を伸ばすことをあきらめてまで追求してきた平等が、給食費程度で簡単に不平等をさらけだすことは許されない。 とれないなら追い出すかやめるかしかない。これは当たり前の話だ。

なぜいまになって当たり前の話が現実味を帯びてくる(この表現も相当変だ)かというと、要するに日本に余力がなくなったということだろう。 先進国共通の人口減少、世界一高速な老齢化、技術立国なのにゆとり教育でアホ量産、積もった政官腐敗など、避けがたい構造問題が表面化してきたのではないか。

これから来るのが実力社会であることは疑いがなく、実力行使とは新たな一揆なのではないかと思う。

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