トコトンやさしい太陽電池の本 March 19, 2007
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くだけたテイストのイラストながら中身はくだけていない太陽電池のハンドブック。50%がイラストや写真になっていて(サイエンスの入門書にはよくある構成)、たしかにこれ以上やさしく書くのは難しいと思う。 『トコトンやさしい太陽電池の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)』
産業技術総合研究所太陽光発電研究センター


従来からあるシリコン太陽電池だけでなく、有機薄膜や量子ドットなど新しい方式の太陽電池の仕組みも説明していて、それぞれどのような点で期待でき、どこに課題があるのかが分かる。 太陽電池はいずれ導入してみたいと思っていて、以前からまずは基礎的な仕組みを知っておきたいと考えていた。 この本を読んで発電のビジュアルなイメージを持つことができたが、光があたると電子と正孔が発生するということ自体が魔法のようで腑に落ちない。 「そういうものだ」と思って記憶することもできるが、太陽電池以前にもっと電気の基礎的な性質を理解しないといけないと思った。

基礎的な理解が深まったのは良いのだが、この本で納得がいかないのはコスト面で元がとれるのかどうかという最も重要な点について参考になる情報がないところ。 「太陽電池は元がとれるの?」というそのものな項目があるにも関わらず、ここで解説している内容は”エネルギーペイバック”という考え方。エネルギーペイバックとは製造時に投入したエネルギーを太陽電池を何年使うと回収できるか?という指標。 結論は1.5年で元がとれるというものだが、それはあくまでエコロジカルな話。

ゼニの面の言及を避けているところを見ると、製造過程や流通過程で上乗せされるコスト(つまり売り値)を回収できるほど発電できないということだと思う。普及の見込みにさしかかるとすぐに補助金頼みの話になる。 これでは新手の公共事業と同じで世界的普及はおぼつかない。

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